美容師を辞めたい人たちへ

サトウ

このまま美容師続ける元気が無くなってきちゃったよ…でも辞めても何をすればいいか分からないし、将来が不安だよ。他の人もやっぱり辞めたいって思ったことあるのかな。

タナカ

美容師を辞めたい理由にもよるけど、ほとんどの美容師はこれまでに一度は辞めたいって思ったことがあると思うんだ。

美容師は離職率が高い職業として有名です。

この離職率が高い理由としては美容業界特有の暗黙の了解が存在するため。

  • お金
  • 拘束時間
  • 人間関係

以上の3つは客観的に見てかなり独特かなと思います。

この記事では美容師が辞めたいと思う理由から美容師というキャリアを活かせる人生設計までを解説しています。

本記事の内容

  • 美容師を辞めたい理由
  • 美容師を辞める際に考慮すべきこと
  • 美容師を辞めた先にある選択肢

本記事の信頼性

この記事を書いている僕は、美容師の墓場と言われる業務委託サロンで25歳から27歳までの2年間を消耗。

英語力ゼロ+資金30万円+ヘタクソな技術という状況から一念発起し、今ではオーストラリアのサロンで充実した生活を送っています。

これまでの転職経験は5回でバックレたこともあります。

これまでの僕の美容人生は挫折の連続で、誇れるような実績は正直言ってありません。

順風満帆ではないキャリアを積み上げてきた僕だからこそ分かる、美容師が辞めたいと思う時の対処法や起こりえる事、将来設計について解説します。

結論から言ってしまうと以下の3つになります。

  • 美容師を辞める際には現状について理由を明確にする
  • どれだけ正当な理由を並べても、後悔はする
  • 労働環境や人間関係、給料に対してのみ不満があるなら海外がオススメ

あなたの美容師としての評価は、あなたが思うより低くありません。

そしてあなたの不満を解決できる方法はきっとあります。

タナカ

じゃあ早速本題に入ろうね!

目次

美容師を辞めたい理由

美容師を辞めたいと思う理由は大きく分けて以下の8つです。

美容師を辞めたい理由

給料が安い

美容師の給料が安いというのは僕を含め、大体の人が感じていること。

実際に厚生労働省が行う令和元年賃金構造基本統計調査によると、美容師の平均年収は311万4000円(月収約25万9000円)となっています。

この数字が良いのか悪いのか分からないあなたは日本人の平均年収と比べてみましょう。

美容師の平均年収比較

令和元年の日本人労働者の平均年収は436万円となっています。

サトウ

おぉう…美容師の年収結構低いね..

タナカ

そうだね、他の業種と比べることではっきりと給料が低いということがわかるよね。

美容師の平均年収である311万4000円は額面であり、さらにここから税金や国民健康保険料などが差し引かれます。

全て引かれた後の手取りはおよそ248万円(月収約20万円)となります。

僕の個人的な意見としては、毎月20万円を手取りとして貰えたらかなり恵まれているんじゃないかなと思います。

タナカ

僕の初任給は手取り13万円なので…

美容師の給料についてはこちらの記事で詳しく解説していますので興味があれば覗いてみてください。

仕事がきつい

美容師は拘束時間が長いといわれています。

最近では労働環境の見直しや練習時間にも給料が発生するということもあるみたいですが、残念ながら全てのサロンではありません。

アシスタント、スタイリスト共に12時間以上働くということも普通にありえますし、休みが無いというのも珍しい話ではありません。

僕は主に都内で働いていたのですが、12時間勤務で休みは月6日というのがその時代では当たり前でした。

サトウ

特に美容師はアシスタントの時が凄くきついよね。

タナカ

スタイリストは売上だったり技術の事で悩んだりするけど、アシスタントは雑務や先輩のヘルプ、気遣いや練習などで体力的にも精神的にもきつくなるよね。

僕がアシスタントとして働いている時は美容師にも関わらず円形脱毛症が2つあり、不眠症が続いて鬱病一歩手前まで行きました。いや、今考えると鬱病だったのかもしれない。

美容師のアシスタントさんが見るべきメンタル術はこちらの記事にまとめてあります。

頑張ってスタイリストになったとしても、後輩の練習に付き合ったり撮影、自分のキャリアを確実にしていくために自分の時間を犠牲にする必要があります。

そこまで頑張れる美容師さんなら大丈夫ですが、全員が全員頑張れるわけないですよね。

美容師のサロン形態別の勤務時間はこちらからどうぞ

手荒れ、肌荒れ

そもそも美容師としての業務に支障が出るためになくなく離職せざるを得ないというパターンもありますね。

僕自身も手荒れがひどいので、毎日尿素入りのクリームを塗って綿100パーセントの手袋をつけて寝ています。

もうこれに関しては我慢できるかできないかの問題になってしまいますが、薬剤を全く使わないカット専門店に転職するという方法もアリです。

他にも僕の知り合いは手荒れが進行し、首まで荒れるという状態になったのでメイクアップアーティストの道に進みました。

はっきり言って手荒れはかなり辛いです。

タナカ

僕も長い間手荒れと薬剤アレルギーにひどく悩まされてるからどうしたもんかと考え中です。

体質であって良くなることはないので、この問題で悩んでいる場合は美容師を諦めるという選択になっても不思議ではないかなと思います。

人間関係

先輩やオーナーとの対立によって美容師を辞めたいと思う人も少なくないですよね。

もちろん場所にもよりますが、美容室は体育会系の人が多く、昔ながらの考え方を持っている人も少なくありません。

昔だと暴力も当たり前のようにありましたし、理不尽な事を言われることもしばしば。

個人的に一番キツイなと思ったのは飲み会という名の残業。

酒が飲めないにも関わらず一気飲みを強制されたり先輩への気遣いなどがそれはもう地獄でありました。

こんな人間関係は築く必要な無いです。時間の無駄です。

幸いにもいい先輩やオーナーは美容業界にも存在します。

タナカ

今の時代にパワハラやセクハラ、飲みの強要をしてくるサロンがあるなら一刻も早く辞めましょう!

将来性

美容師には旬な時期があります。

それは20代後半から30代までの十数年。

理由としては過酷な労働環境と家族やパートナーと過ごすための時間確保の点で若い時と同じような働き方ができないから。

そして美容師自身の容姿も少なからず売り上げに関係しているからです。

美容師としてのピークを迎えた後、40代を迎えた美容師は下記のいずれかの道を歩むことになります。

美容師の将来の選択肢
  • 雇われ店長
  • フリーランス
  • 独立
  • 他業種
  • 若い今は売り上げを持っているけれどこの先不安だ…
  • 売り上げを気にするどころか生活するのでいっぱいいっぱいだよ…
  • 安い給料で働いているけどこの先は大丈夫なのかな…

そんな将来に対する不安を持った美容師さんは下記の記事をチェックしてみてください。

美容師に向いてない

これはアシスタントや20代中盤のスタイリストによく見られる傾向かなと。

なぜあなたは美容師に向いていないと思うのか。

  • そもそも人見知り
  • 努力ができない
  • 週末に休みたい
  • 上下関係が苦手
  • 競争心がない
  • 真面目すぎる

上記のどれかに当てはまったらそもそも美容師に向いていないのかもしれません。

そんなあなたは下記の記事をチェックしてみてください。

タナカ

まぁ僕はほとんど当てはまってるけどなんとか美容師やってるよ!

クレーム

お客さんからのクレームって凄く凹みますよね。

タナカ

僕が最初に勤めていたサロンを辞めたのはこのお客さんからのクレームが全ての原因だったな。

  • 自分に落ち度がない理不尽なクレーム
  • 一生懸命やった結果のクレーム
  • 技術不足によるクレーム

このようにクレームと言っても種類があります。

多くの美容師さんは誠実すぎるために、全てのクレームに対して考えすぎてしまいます。

今の僕が昔の自分にアドバイスをできるのであればこう伝えたいです。

お客さんは世の中にたくさんいる。その人はたまたま合わなかっただけだから気にする必要はない。

それよりも今自分の事を信頼してくれているお客さんにその悩んでいる時間を使え。

美容師がクレームで辞めたいと思ったときはこちらの記事も参考にしてみてください。

美容師を辞めた直後に起こること

ここまでよくある辞めたい理由をまとめてきましたが、実際に美容室を辞めるとどのようなことが結果として起こるのかを経験者である僕が解説していきます。

インパクトの強い事柄は以下の4つ

美容師を辞めた直後に起こる事
  • 安定した収入源の消滅
  • 同僚や後輩に対する劣等感
  • 自分が何をすべきか分からない
  • 将来に対する圧倒的不安

ではそれぞれ見ていきましょう。

安定した収入の消失

どれだけ安月給だろうが、毎月入ってきた給料が完全に無くなるというのは精神的に結構きます。

まして美容師は十分な貯金ができていない人がほとんどなので3か月無職でも平気という人は稀でしょう。

収入がゼロになるということは

  • 引っ越しを考えなければいけない
  • これまでの生活を変えないといけない
  • 趣味を諦めないといけない

ということ。

人間が生活水準を下げるというのはかなりハードルが高いです。

今までは当たり前だったことが、美容師を辞めることで当たり前ではなくなります。

タナカ

当たり前のことだけど、収入源が無くなるだけで人は簡単に追い込まれるんだ…僕は貯金が無かったから実家に帰ってボーイズバーで3日間働くという意味不明な行動したよ!

もしあなたに3か月は生活水準を変えないで暮らせる貯金があるならば、すぐに辞めても何とかなります。

貯金が無い人はこの現実をまずは受け入れましょう。

劣等感

お金の現実が襲ってくると同時に、数週間から数か月経って猛烈な劣等感が襲ってきます。

この現象は少しでも美容師という職業に未練を感じている人に来るとは思いますが、後輩や同期に対してですね。

自分が家でグダグダしている間にも彼ら彼女らは着実に美容師として成長している。

タナカ

それに比べて自分はいったい毎日何をしているんだろう…

  • 先輩やオーナーは自分の事をなんて言っているんだろう…
  • 本当に辞めて正解だったのか?
  • 辞めなかったらいったいどうなっていたのか?

このような感じで負のスパイラルは悪化していきます。

しかし辞めてしまった以上、もうこれ以上はどうすることもできません。

10年経った今でも僕は最初の美容室を辞めたことを後悔しています。

そして定期的にその時の夢をいまだに見るほどです。

何をしたらいいのかわからない

劣等感を感じ始めたら次のステップです。

これから自分は美容師を続けるべきなのか、他業種に挑戦すべきなのか。

僕がその時に考えを巡らせていたのは以下の4つ。

  • この年齢で他業種に挑戦できるのか?遅くないか?
  • 今まで美容師しかやってきてないけど他に何かやりたいことがあるのか?
  • 周りの友達は大学卒業して学歴もしっかりある。けど自分には無い。大学にでも行くか?
  • 他のサロンに入るとしてもうまくやれるのか?

答えの出ない考えが毎日あなたを悩ませます。

この時点で

  • お金問題
  • 劣等感問題
  • 何をしたいか分からない問題

の3つを抱えることになりますが、安心してください。

もう一つだけ大きい問題がしっかりやって来ます。

将来に対する不安

最後にやってくるのは将来に対する不安。

生きていくためには仕事をしてお金を稼ぐ必要があります。

しかし上でも述べたように美容師としてまた働けるのか不安。

そして他業種に挑戦するのも不安。

タナカ

果たして自分は家族を持ち、幸せな家庭を築くことができるのだろうか…

手元に十分なお金は無く、劣等感を感じながらこの先に何をすればいいのか分からず将来に対する漠然とした不安。

少し大げさかもしれませんが、美容師を辞めたいということはこのような問題に直面する可能性もあるということです。

僕の場合は英語を勉強して海外で美容師をやっていくという結論になりました。

なぜ英語×美容師なのか。

それはこちらの記事で解説しています。

美容師を辞めたいなら考慮すべきこと

美容師を辞めることによって直面する問題を頭の片隅に置いたら、辞める前に今の自分の状況を整理してみましょう。

すぐに辞めてもいい人と、もう少しだけ我慢したほうがいい人と分けることができます。

美容師を辞めたいなら考えておきたいことは以下の4つ。

  • 経験年数
  • 投資した時間とお金
  • 現状で本当に解決できないのか
  • 次に挑戦するキャリア

では詳しく見ていきましょう。

経験年数

結論から言うと、経験年数が2年未満の人はもう少しだけ我慢して2年以上になるようにしておきましょう。

これの理由としては、2年以上美容師として働いていれば潰しが効くからです。

美容業界では差はあれどカリキュラムがあります。

このカリキュラムでは1年めではシャンプーから始まり、パーマやカラー塗布、そして早い人だとカットの基本まで行ってしまいます。

そして2年目に入ると1年目のカリキュラムを実践で繰り返し練習しつつ、美容師の基礎となる技術ほぼ全てを網羅することになります。

早い人は2年めでカットの試験にほぼ受かってしまう人もいますね。

カット技術はひとまず置いておき、2年目まででアシスタントとして動けるようにしておくと他のサロンに転職したとしても即戦力になります。

労働環境や満足できる給与体系のサロンに転職できたらあとはカット技術を詰めていくだけ。

アシスタントで辞めたいと思っている人は2年の経験を積んでから転職するように頑張りましょう。

今まで投資した時間とお金

あなたが美容師になるために投資した時間とお金は他業種に挑戦することで無駄になってしまう可能性があります。

一般的に美容専門学校を卒業するまでに必要な学費は200万円から300万円。

そしてあなたが投資した時間は人生の貴重な若い2年間。

他業種に挑戦することは悪いことではありませんが、貴重な時間とお金を将来の自分に投資したことを決して忘れないでください。

この時点では今美容師になりたがっている高校生よりもスキルも経験も上です。

しかし他業種に挑戦するのであればこれらのアドバンテージは無くなり、高校生と全く同じスタートラインに逆戻りしてしまいます。

お金は稼げば戻ってきますが、10代20代の貴重な2年という時間はもう2度と戻ってきません。

美容師を辞めたいと思っているあなたは2年というアドバンテージをも捨てようとしているということは頭に入れておきましょう。

現状で本当に解決できないのか

上記でも述べた理由のうち、現状で解決できるものがないか考えて見ましょう。

給料が安い

固定費を下げて節約してみる。

  • スマホ代は安くできないか?
  • 家賃は適正か?
  • 自炊などをして食費を浮かせられないか?
タナカ

僕だったらシェアハウスに住んで固定費を下げるかな!

仕事がきつい

考え方を変えてみる。

  • 無理をしてまで朝早く、夜遅くに練習する必要はあるのか?
  • 先輩や後輩に自分の負担を下げれるように協力をお願いできないか?
タナカ

スタイリストになるまでの期間はぶっちゃけ関係ないんだよね。休むことも仕事だよ!

美容師に向いていない

美容師としてのスタイルを変えてみる。

  • 話すことは諦めて、カットにスキル全振り!
  • 売上で嫌な先輩に勝ってもう何も言わせない!
  • 好きなアニメキャラの髪型を作ってみる!
タナカ

今の時代はこれと言って決まった美容師像が無いからどんなスタイルでも受け入れられる可能性があるよ!良い時代!

現状でも解決できる術が全く見つからないという場合は辞めちゃいましょう。

次に挑戦するキャリア

見切り発車で美容師を辞めるほど怖いことはありません。

これまで美容師として培ったスキルや経験を活かせる業界はあるのか、考えておくのがベストです。

美容師の経歴を活かして転職できる業界は下記を参考にしてみてください。

不動産業

  • 接客や気遣いのスキルが活きる
  • 未経験でも可能
  • キャリアアップは宅建などの資格を取ることで可能

美容ディーラー

  • 美容師のカラー知識やケミカル知識が活きる
  • 未経験でも可能
  • 美容業界なので違和感なく働ける

アイリスト・ネイリスト

  • 美容師資格を活かせる
  • 技術職なのでスキルを身につけられる
  • 売上によって高収入も可能

美容師を辞めたいなら辞めてもOK

今の労働環境が辛くて我慢できないというのであれば、辞めてしまってもOKです。

しかし、今まで苦労して得た経験を全て捨ててしまうのはもったいない。

今の美容室を辞めることであなたの不満が解消されるのであれば、以下の2つがオススメです。

  • 会社に所属しない
  • 海外で美容師に挑戦

会社に所属しない

世の中には労働環境の良い美容室もありますが、最近ではフリーランスや業務委託として働く美容師さんも増えてきました。

  • フリーランス
  • 業務委託

それぞれメリット・デメリットがありますが、あなたの不満を取り除ける可能性アリです。

フリーランス

メリット
  • 会社に所属しないので自分の働き方ができる
  • 完全歩合なので売り上げが給料に反映される
  • 副業も可能
  • 節税ができる
デメリット
  • 個人で全て集客しなければいけない
  • 病気や怪我で働けない=給料ゼロ
  • サロンワークに集中するため、練習しやすい環境ではない

業務委託

メリット
  • 指名客を持っていなくても働き始められる
  • 腕に自信の無い美容師はたくさん経験を積める
  • 柔軟に勤務時間を調整できる
  • 節税も可能
デメリット
  • 一人のお客さんに集中して施術できない
  • 薄利多売=数をこなす必要あり
  • 技術の向上は見込めない
  • 結局は労働環境が悪くなる可能性

フリーランス美容師や業務委託で働いてみたいと思っている美容師さんはこちらの記事もチェックしてみてください。

海外で美容師に挑戦

これは僕が悩んだ末に選んだ選択肢です。

個人的には日本の美容師が海外で挑戦するというのは悪くないんじゃないかなと思います。

その理由としては以下の4つ。

  • 生活環境と労働環境が抜群に良い
  • 売り上げノルマは特になく、給料も良い
  • スキルアップができる
  • 日本人美容師の需要が高いために将来設計もしやすい

もちろん簡単な事ではなく、日本で転職をするよりもはるかにハードルが高い。

しかし、客観的に比べても海外で美容師というのはアリかと。

海外で美容師として働いてみたいという方はこちらの記事もチェックしてみてください。

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