海外で美容師をしている僕の生活
では早速ですが、オーストラリアで美容師をしている僕の1日のルーティーンと生活費から解説していきます。
1日のルーティーン
下記のグラフを見るとわかりますが、しっかりと8時間勤務。
そしてこれに付け加えて休みは完全週休2日、約3週間の有給休暇と約10日の病欠が認められています。
日本では、長時間拘束や低賃金などのブラック企業はよく耳にします。
一般的なサラリーマンの場合は平均で月25時間の残業があり、美容師の場合は基本的に残業という考えがありません。
下記の図は僕が実際に業務委託として働いていた際の1日の生活になります。
(日本の業務委託働き方の図)
このように、1日中仕事しかしていませんね。
しかし海外では無意味な長時間拘束や残業はなく、8時間勤務定時できっちりと帰ります。
日本でのスケジュールと比べてみるといかに時間の余裕が持てるか分かるね!
(仕事内容はサロンによって変わりますが、日系サロンの場合は日本と同じようなサービスを提供している場合がほとんどです。
しかし現地のサロンではカットとカラー、ブロードライのお客様がほとんどを占めます。
日本で言うおしゃれ染めはあまり無く、ハイライトやトナーがカラーにおいてはメインの施術になります。)
美容師が海外で挑戦すべき理由
なぜ日本の美容師が海外で挑戦すべきなのか。
その理由は下記の4つから考えることができます。
- 将来のリスクヘッジ・ビジネスチャンス
- 子供のため
- やりがい
- 給料
- 価値観が広がる
- ストレスが少ない
- キャリアアップ
- 時間の余裕
しかし、下記のようなデメリットもあります。
- 不便さによるストレス
- 一時帰国のわずらわしさ
- 退屈&友達ができない
- ビザに依存
では順番に見ていきましょう。
将来のリスクヘッジ・ビジネスチャンス
海外での日本人美容師の需要はかなり高いです。
日本で美容師をやっていると海外での需要を知ることができませんが、下記のポイントは海外で美容師をやる上で武器になります。
日本人特有のおもてなし接客や、気遣いというのは海外の現地サロンにはありません。
海外の価値観だと美容師の方が立場が上であり、攻めた接客をしている美容師が大多数です。
そんな環境の中でお客様を気遣い、気持ちよく滞在してもらうことが前提の日本人美容師はそれだけで差別化できますね。
個人的な感想になってしまいますが、日本人のカット技術はかなり高いと思っています。
理由としては下記の通りです。
- 毛量の減らし方を知っている
- 骨格に対してアプローチできる
- 正確にカットできる
日本ではできて当たり前と認識されている技術を海外の美容師は苦手なことが多いです。
このカット技術も意識せずとも他との差別化になっています。
海外現地の美容室ではパーマや縮毛矯正といったメニューは存在しません。
その代わりにハイライトやブリーチなどに特化しているので、パーマ・縮毛矯正をしたいという需要があるにも関わらず施術できるサロンの数が明らかに少ないです。
これらのメニューはアジア系サロンで行うというのが現地では定番になっていますが、日本人ほど髪のことを考えて施術できる美容師さんは多くいません。
日本人が求めるパーマ・縮毛矯正を提供できるスキルがあるだけで、海外では超一流になれます。
日本では定番のメニューですが、現地のサロンにはまずありません。
それどころかシャンプー中の軽いマッサージでも感動してもらえるんだ!
なぜこのような現象が起こるのかというと、シャンプー台の作りです。
日本では一般的になって来ているフルフラッドのシャンプー台ですが、海外の美容室では椅子+シャンプー台という洗えればOK的なシャンプー台が普通です。
当然リラックス・マッサージができる作りにはなっていません。
それまでの常識を覆せる日本のヘッドスパ技術は海外でウケます。
以上のことから海外での日本人美容師は受けいられやすく、また安定した売り上げを出すことも日本に比べて難しくはありません。
しかし海外でスタンダードな技術であるブロードライやハイライトなどは日本人美容師が劣っている事でもあります。
日本人美容師=凄い
ということではなく、日本人美容師は強みがあるというように考えると海外ではうまくやっていけると思います。
価格競争・供給過多の日本の美容業界に比べて、海外ではまだ比較的ビジネスチャンスがあるように思われます。
子供のため
海外では子供にとっても生活しやすい環境があります。
- 優れた生活環境
- 個性を伸ばす教育制度
- 将来の財産となる他言語の習得
- 価値観の変化
日本の都市部ではビルに囲まれ、普段から大自然に触れ合うということが難しいのが現状です。
しかし、僕の住むオーストラリアでは大自然とすぐ隣の環境で生活ができるので
- 森に囲まれたキャンプ場へ行く
- オーストラリア屈指の透明度を誇る海へ行く
- 山へハイキングしに行く
ということが日帰りで可能です。
車で30分もあれば都心部から行くことができるんだ!
日本では宿題や受験など、子供にも積極的に勉強させるような習慣がありますが、オーストラリアは少し違います。
子供達全員に一定の学力を求めるのではなく、子供達の長所を更に伸ばすことに集中します。
小学校では宿題が日本に比べほとんど無く、スクールホリデーと呼ばれる休みが年に約3ヶ月。
日本は年に約2ヶ月だよ!
このスクールホリデー中は大人たちも有給休暇を取り、家族全員で時間を過ごすことが多いようです。
子供が日本語以外にも英語などの多言語を習得できるのは魅力的です。
- 子供の将来の選択肢を増やす
- 学力水準が高くなる
- 表現力の向上
- 自信を持って発言できる
上記のように幼少期のうちに第二言語を勉強することで様々な効果を期待できます。
外国語を話せるということは相当なメリットになるんだね!
日本で接する人はほとんどの場合日本人です。
しかし、多民族国家であるアメリカやオーストラリアでは様々な人種や言葉、文化や宗教などが混じり合っています。
国際色豊かな場所で子供達はたくさんの事を肌で感じ、成長していくことができますね。
やりがい (美容師やりがい
海外で美容師をやっていると日本とは違ったやりがいを感じることができます。
僕が実際に大きく感じている違いは以下の2つです。
- 口コミではないリアルなフィードバック
- 新しい技術の習得
リアルなフィードバック
日本ではお客さんからの口コミがネットを通じて美容師に伝わります。
しかし海外の場合はネットでの口コミというのはほとんどありません。
お客さんは口コミを自分のSNSにアップしたり、友達や家族に紹介という形で広めてくれます。
施術が良ければ喜んでくれますし、施術がダメであればしっかりと意思表示してくれます。
だからといって1回でもう来なくなるということは少ないし、また次よろしくねー!という感じで帰っていく人がほとんどなんだ。
日本で働いていた時はネットでの口コミが凄くストレスでしたが、良い時も悪い時もフィードバックをくれる海外の環境はやりがいを感じることができるかと思います。
新しい技術の習得
美容師として新しい技術を習得する事、そしてスキルアップする事はやりがいを大きく感じられることですね。
日本ではあまり重要視されていないブロードライは、海外ではとても高いレベルで求められています。
それ以外にもハイライトなどもかなり高いレベルで求められているため、海外では美容師としてのレベルをもう一つ上の段階に上げられます。
給料
美容師が海外に挑戦すべき理由4つ目は給料が良いという事。
能力次第でも給料は変わりますが、日本よりも年収が高い傾向にあります。
日本
約280万円〜300万円
年収が300万円の場合は税金を引いて手取りは約240万円程度になります。
次に美容師としての海外移住のハードルが少ない国で働く場合、それぞれの平均年収を下記にまとめました。
海外の税金システムはビザによっても左右されるので、ここではおよそ20%と仮定します。
カナダ
$23,000〜$43,000+チップ10%
1CAD=80円で換算すると約185万円〜350万円。カナダはチップ制度のある国なので、この年収に10%プラスを基準に考えてOKです。
ドイツ
€21,000〜€25,000
1€=120円で換算すると約250万〜300万円
オーストラリア
$41,000-$61,000
1AUD=80円で換算すると約330万円〜480万円
日本と海外での平均年収を見比べるとそこまで大差ないように感じるね…
しかしこれはあくまでも平均年収であって、売り上げを持っている美容師はそれ以上に稼ぐことも可能です。
参考までにオーストラリアで働いている僕の現在の年収はおよそ$75,000=630万円($1=85円換算)です。
ここから税金などが引かれ、月の手取りはおよそ$4,500~$4,800。
日本円に換算して38万~40万円となります。
さらにオーストラリアではスーパーアニュエーション(積立年金のような制度)を毎月給料の約10%、会社から振り込まれます。
なので月の手取り額は、積立年金を合わせて約$5,000=約42万円。
他業種の人に比べて凄く稼いでいるという感覚はありませんが、前述したライフスタイルや労働環境を考えれば充実した生活をすることができるかなと思います。
海外美容師の平均給料は日本と比べて凄く高いわけではありませんが、売り上げを持っていれば日本よりも稼げます。
こちらの記事では僕が今までに働いてきた日本とオーストラリアの美容室の給料を雇用体系、労働時間とともに公開しています。
価値観
海外で美容師をしていると多種多様なお客さんと関わります。
宗教や文化、言葉や生まれ育った環境が全員違うので、お互いを受け入れつつ生活をしています。
人と大きく変わった行動をすると何か言われてしまう日本とそれを個性と受け入れられる海外。
- 弁護士さんや会計士さんが派手髪をする→個性
- どんなにお金持ちでも服装は気にしない→個性
- 走行距離30万キロ走っている車を所有→個性
価値観や考え方は海外にきて大きく変わったかなと思うよ!
ストレス
大抵のことは個性と受け入れられる社会は、あなたが想像するよりも肩の力を抜いて生活ができます。
日本では集団行動が良いとされ、洋服なども似たような流行りのものをみんな着ていますよね。
海外でももちろんオシャレな人はたくさんいますが、流行りなどは全くありません。
みんな自分の着たい洋服を着て、好きな髪形を楽しんでいます。
普通に見られるための努力は自分に意外とストレスをかけていたんだなって思うよ。
美容師の仕事でいうと、全ての仕事が上手くできなかったとしても問題ありません。
- カットが苦手だからカラーリストになる
- ブリーチが苦手だからストレートパーマに特化する
- カットが好きだからカッターになる
美容師の個性に合わせて仕事を選ぶ=スペシャリストとして見られます。
自分の得意な施術に集中することでクレームややり直しは減り、結果的にストレスから解放されます。
日本にいた時は【パーマが大嫌いで、うまくできるかなーと毎回思いながらやる→思ったような仕上がりにならない→口コミ書かれる→俺はカラーが得意なんじゃぁぁ!→以下ループ】という感じだったよ。
キャリアアップ
上でも述べているように、海外では日本人美容師の需要が多くあります。
- アジア人の髪質を理解できる
- 縮毛矯正ができる
- 気遣いが素晴らしい
これらの理由で、日本人美容師というだけでお客さんは指名してくれます。
売り上げが上がることで給料や会社内での役職も上がりますし、将来の具体的なプランも見えてくるかと思います。
それらに付け加え、外国語を話せるという事は美容師を辞めても生きていけるスキルがあるという事。
美容師と外国語を使ってビジネスを考えるもよし、外国語を仕事として生活していくのもよし。
多様な働き方が求められている今、美容師以外にも外国語を習得できる海外移住はあなたのキャリアアップに大きく影響します。
時間の余裕
日本では、1日の労働時間が10時間を超えるなんてザラにありますし、アシスタントの時は18時間お店にいるというのが普通でした。
一般の会社ではこういった労働環境は少ないでしょうが、美容業界では当たり前として認識されているのが現状です。
しかし海外美容師の場合は日本のように10時間、12時間働くということはしません。
基本的に8時間勤務できっちりと終わり、ミーティングや練習に関しても給料が発生します。
なぜこの勤務時間でビジネスが成立するかというと単価が高いから。
低単価で数をさばくといったやり方は無いので、8時間勤務でも1日の売り上げが7〜10万円になります。
8時間勤務、週休2日という労働環境のおかげで私生活を充実させることができますね。
僕は必ず9時間を睡眠時間に充て、他の時間をブログやゲームに充てています。
有給休暇もしっかり取れるので、日本にも帰っていますし旅行にも頻繁に行けています。
いくら美容師が天職だといっても50、60歳まで若い時の働き方はできません。
本来当たり前の権利であるワークライフバランスは美容師にとってかなりの衝撃になるかと思います。
海外で美容師をしたいなら知っておきたいデメリット
海外で美容師をすることは良いことばかりではありません。
僕が5年間オーストラリアにいる中で感じたデメリットは以下の4つ。
- 不便さによるストレス
- 一時帰国のわずらわしさ
- 退屈・友達ができない
- 全てはビザに依存する
では詳しく見ていきます。
不便さによるストレス
海外のサービスははっきり言ってあまりよくありません。
- 荷物がちゃんと届かない
- 接客が雑
- 美味しいレストランが少ない
- 営業時間が短い
上記の4つ以外にもたくさん不便に感じることはありますが、裏を返せば労働者にとっては楽という事。
日本のようにお客様を第一にという感じは絶対にありえません。
住む分には多少不便なこともありますが、働く側からすると余計なストレスを感じなくて済むのでメリットでもありますね。
一時帰国のわずらわしさ
日本国内とは違い、すぐに友人・家族に会いに行ける環境ではありません。
国によっては日本へ帰国するのに24時間以上掛かってしまう国もあります。
緊急を要することがあれば初動が遅れてしまうということも頭に入れておかないといけません。
また日本の友人と飲みに行ったり遊びに行くこともできなくなってしまうので、寂しく感じてしまう事が多々あります。
友達がインスタで楽しそうにしてるのを見ると無性に寂しくなります。
退屈・友達ができない
海外に住んでいると言葉のバリアを乗り越えない限り、友達はできません。
シャイな性格の日本人は現地の人と積極的に遊びに行ったりというのが難しいので結局は日本人同士で。
という感じになります。
個人的には日本人同士で遊んでも全然いいと思うんだけど、志が高い人にはデメリットに感じちゃうかもね。
僕の場合は仕事しかしていない、パートナーがいる、もともとインドア派ということで友達は全くいません。
ゼロです。
しかしなんだかんだ楽しく暮らしています。
ビザに依存
日本人が日本で生活するためにビザは必要ありません。
しかし海外に旅行・仕事に行くのであればビザ=滞在許可証が必須になります。
国によってビザの条件は変わりますが、先進国であれば以下の2つは絶対条件となります。
- 言語能力の証明
- 職歴
これらはすぐに取得できるものでは無く、絶対的に時間がかかるので長期的に考えないといけません。
アメリカを除く多くの先進国では、ワーキングホリデービザ(ワーホリ)を使って1〜3年間現地で働くことができます。
まずはワーホリを使って現地で働いてみるというのがハードルが低いように思うよ!
海外で美容師として生活したいあなたが注意すべき事
ここまでメリットとデメリットを述べてきましたが、僕は圧倒的に海外には夢があると思っています。
しかし、大多数の日本人は思っています。
海外に住めば英語ペラペラになるんでしょ?
これはもうはっきり言いますが、住んでいるだけで英語ペラペラはありえないです。
このように理想と現実はやはり違います。
- 英語がペラペラになるわけじゃない
- 好きな国に住めるわけじゃない
- ゴージャスな暮らしではない
- 快適さと便利さは日本が世界一
住んでいるだけで英語がペラペラは都市伝説
結論から言うと、英語は勉強しない限り上達することはありません。
美容室で使う英語や簡単な日常会話に関しては、勉強しなくても慣れます。
しかし多彩な話題についていけるようになるには必ず勉強をし続けないと無理ゲーです。
海外で美容師をする上で一番のハードルが言語問題。
実際に僕も英語には相当苦労しましたし、今でも毎日勉強しています。
毎日英語で接客するようになった今だから分かることですが、言語学習が辛いのは最初のうちだけです。
ある程度自分の気持ちが伝えられるようになってくると、あとは実践していくことである程度は勝手に伸びていきます。
日本で働く美容師さんがまず考えるべきことはペラペラに英語を話せるようにするということではなく、英語の基礎を身につけること。
発音や正しい文法なんて英語ネイティブになりたい人以外は気にする必要無しです。
理由としては多国籍文化な国ではほとんどが外国人だから。
英語なんてものは伝わればいいんです。
自分が間違っていても、なんで理解できないの?英語分かる?くらいの気持ちでネイティブとは話してるよ!
詳しいことは以下の記事にて解説しているので参考にしてみてください。
好きな国に住めるわけではない
美容師に人気な国はこちら
- アメリカ
- イギリス
- フランス
非常に申し訳ありませんが、この3つの国に美容師として移住するのはほぼ不可能と思って頂いて結構です。
理由は下で後述するビザ問題と言語。
アメリカやイギリスは世界でも1、2を争う超大国&美容先進国。
そこに外国人美容師の需要はないと国に思われているため、ビザを取るのが非常に難しいです。
そしてフランスでは英語も通じますが、お客さんとの会話はフランス語。
私の名前はタナカです。とフランス語で言えますか?
ほとんどの人が言えないでしょうし、僕も無理です。
英語を話せないと思っている日本人は、実は英語を話せます。
マイネームイズ タナカ!
本当に何も分からない言語の国に行くのは想像以上に大変です。
以上の事から美容師として好きな国に行けるとは思わない方が賢明です。
ゴージャスな暮らしではない
海外だからといってゴージャスな暮らしができるわけではありません。
- ビーチ沿いの綺麗なマンションに住んで夕陽を見ながらお酒。
- 休みの日はショッピングに町へと繰り出し、マッサージで体の疲れを取る。
- ご飯はオシャレなレストランで特別感を。
これらは旅行でできることです。
実際に住んでる側から言わせてもらうと下記のような感じです。
- 合計6人が住むシェアハウスで隣人の騒音にイライラしながら生活
- 休みの日は友達もいないので一人でそこらへんを散歩
- しっかりと休みがあるので無駄に暇
- ご飯は節約第一。外食は大衆レストランへ。
まぁ海外に実際に住んでいるとこんなもんです。これが現実です。
快適さと便利さは日本が世界一
日本は世界で一番快適に住める国です。
僕らは日本人なので当然日本語が話せますし、好みのご飯を毎回選んで食べることができます。
しかし海外になると、自分の好きな物が毎回手に入るとは限りません。
あなたは納豆が光り輝いて見えたことがありますか?
僕はあります。
それほど海外では好きな物が手に入りずらいのです。
大抵の都市には日本食スーパーやレストランがあるから、そこまで苦労はしないけど田舎はやばい。
そして当たり前のように日本語で日本のサービスを受けられるという事はありがたいことです。
海外ではその地の言葉で病院や市役所、レストランや恋人とのデートまでこなす必要があります。
働いている人は日本人のようにまじめで優しいわけではないので助けてくれるとも限りません。
海外移住をするという事は不便さと向き合っていくことでもあります。
海外での美容師に向いてる人・向かない人
海外で美容師として生きていくのは意外と大変です。
結論として、海外移住には下記のように向き・不向きがあります。
向いてる人
- ワクワク・ドキドキを求めている人
- 新しい技術を学びたい人
- 可能性を広げたい人
- 行動力のある人
向かない人
- 孤独に耐えられない
- 日本から逃げ出したい人
- 海外に対して憧れが強すぎる人
日本から海外に移住をするとしても、やはり美容師は美容師です。
お客さんの事をしっかりと考え、チームプレイができる人を現地のサロンは探しています。
常にマイナス思考やただ単純に日本から逃げ出したいというあなたは海外でも同じ事の繰り返しです。
上でも述べているように、海外での美容師には夢があります。
しかし全部が最初からうまくいく事はありえません。
- 違法賃金
- 残業代がでない
- 同僚によるいじめ
- 言葉の問題
働いていく中で必ず逆境に立たされる場面が来ます。
海外に憧れが強い人や日本の環境からただ逃げてきた人はこの事実を受け入れられずに帰国する人が多いです。
逆に自分の夢や目的がはっきりとしている人はその都度解決策を考えて挑戦する人が多いかなと思います。
最低限求められる人材とは
海外での活躍を目指す美容師が抑えておきたい必須条件は以下の3つです。
- 美容師免許
- 語学力
- 経験
美容師免許
海外で美容師免許が必要かどうかは国によって違います。
アメリカやカナダの美容師は、州によって美容師の免許制度が異なり、免許がなくても働くことができる場合もあります。
一方、オーストラリアやアジア圏では美容師の免許がなくても働くことが可能です。
しかし、美容師免許が必須ではない国で就労する場合でも日系サロンで働くには日本の美容師の資格が必要なケースがほとんどです。
語学力
海外で美容師として働くなら、滞在する国の言語を学習する必要があります。
カウンセリングや施術中のコミュニケーションはその国の言葉でやり取りする必要が出てきます。
経験
海外の美容室では即戦力として働ける人材を求めています。
経験年数に伴った技術が海外で求人を探すときにアドバンテージになります。
美容師が海外に行くためのビザと方法
海外で美容師をやっていくならばビザは必ず考えないといけません。
ビザとは海外に滞在するための許可証みたいなもので、これがないと仕事どころか観光もできないんだ。
美容師が海外で働くには大きく分けて以下の4つが考えられます。
- ワーキングホリデービザ
- 学生ビザ
- ビジネスビザ
- パートナービザ
ワーキングホリデービザ
ワーキングホリデービザは26か国の協定国で1~2年の間、自由に働いたり滞在することができます。
通称ワーホリと言われ、30歳以下の人を対象に発行されるビザです。
ワーホリの特徴は以下の3つ。
- ビジネスビザへのステップアップに使える
- ビザ取得が簡単
- ほとんど制約がないので自由に生活できる
- お金を稼ぐ目的にも使える
ビジネスビザや学生ビザを取得するためには英語のテストを受けないといけなかったり、労働時間の制限があったりします。
しかし、ワーホリでは特に厳しい制限もなく自由に生活できるので永住権やビジネスビザにステップアップすることも可能です。
ほとんどの場合、日本からの申請になりますが特に条件などはないので難しくはないかと思います。
僕もこのワーホリビザから始めて、ビジネスビザに変更できたよ!
美容師がワーホリを使うメリットや特徴はこちらに詳しくまとめてあるのでチェックしてみてください。
学生ビザ
学生ビザは現地の大学や専門学校、語学学校に通うことが前提のビザです。
ワーホリ協定国ではないアメリカなどはこの学生ビザで滞在しながら美容師として働きます。
- 長期間の滞在も可能(1~3年)
- アルバイトも可能
- 学生ビザ維持には費用が必要
- 労働時間の制限アリ
基本的に学生ビザは学業を優先としたビザなので、労働制限があります。
国によって様々な違いがあるのですが、オーストラリアでは週25時間までの労働が認められています。
ワーホリの場合は週40時間以上働くこともできますが、学生ビザの場合は最低限の生活を維持する程度の仕事が可能となっています。
税金を逃れるために現金で給料を支給してもらうという手もあるけど、強制帰国になったりするのでオススメはしないよ。
また、半年に1回学費を払う必要があるので資金によってはかなり厳しい生活になることもあります。
日本でも現地でも申請は可能ですが、書類の審査や貯蓄の確認、英語力のテストなどもあるのでワーホリに比べて少しハードルは上がります。
美容師として留学を考えているならこちらの記事もチェックしてみてください。
(美容師 留学)
ビジネスビザ
ビジネスビザは美容室にスポンサーとなってもらい、フルタイムとして制限なく働けるようになるビザです。
ビザの種類によっては永住者と同じように保険に入れたりします。
- 数年の滞在が約束される(3~5年)
- 給料の最低保証
- 生活の安定
- 取得までのハードルが高い
美容師として海外で働くにはこのビジネスビザが一番安定しており、将来は永住権に繋げることもできます。
給料の最低保証もあり、美容室側もリスクを背負って労働者にビザを出すので求められるレベルは高く責任もあります。
しかし将来的には永住権に繋げることもできるので
- 日本と海外を行き来しながら生活したい
- 海外でずっと生きていきたい
- 海外でキャリアチェンジして挑戦したい
という将来設計も可能です。
日本でも現地でも申請は可能ですが、よほど美容師として優秀でない限りは現地でステップアップしながらビジネスビザを目指すというのが一般的です。
求められる英語のテストも基準が高く、多くの日本人美容師にとって言葉の壁が大きく悩ませます。
海外で美容師としてビジネスビザ・永住権を目指したいというあなたはこちらの記事もチェックしてみてください。
パートナービザ
パートナービザは現地の恋人と一緒に生活していくことが前提のビザになります。
以前は多くの国で比較的緩い条件でパートナービザが申請できていましたが、最近では英語テストの追加や待ち時間が大幅に上がるなどの変更が見受けられます。
一度パートナービザを取ってしまえば自動的に永住権取得となりますが、現地で恋人を見つけるという不確定要素がネックになります。
パートナーが見つかればいいですが、美容師として海外に挑戦するのであればこのビザは考えない方がいいでしょう。