美容師の勤務時間は労働基準法を守っている?
美容師の勤務時間を紹介する前に、まずは労働基準法についてまとめていきます。
美容室で働いていると、労働基準法がどのように定められているか実は知らなかったりするよね。
恐らく、大半の美容室では本来守られるべき労働基準法は無いに等しいです。
厚生労働省の定める労働基準法によると
- 1日8時間、週40時間の労働を基準とする
- 6時間を超える労働には45分、8時間を超える労働には1時間以上の休憩が必要
- 最低1週間に1日、または4週間で4日以上の休暇
このように定められています。
さらに有給休暇については以下の通りです。
- 6か月間8割以上の勤務が認められた場合、10日間の有給休暇が認められる
- 継続勤務1年ごとに1日。3年6か月を過ぎた場合には最高20日間を取得可能
一定期間勤続した労働者に対する休暇を取得しても給与が減額されない制度です。
有給休暇の賃金算出方法は下記のようになります。
- 時給:時給×労働時間
- 日給:同じ金額
- 週給:週給÷労働日数
- 月給:月給÷労働日数
月の出勤日数20日間、月給20万円で働いている場合は、1日当たり1万円を受け取れます。
美容師にとって有給休暇なんて都市伝説だよ…
美容師の勤務時間
では基本的な労働時間が分かったところで、各サロン形態の代表的な勤務時間を見ていきましょう。
ここで紹介しているサロン形態は以下の4つです。
- チェーン店
- フリーランス
- 都内有名店
- 海外サロン
チェーン店
全国に数百店舗あるチェーン店での勤務時間です。
7:00~8:00 起床・朝ご飯・出社
8:00~9:00 掃除・ミーティング
9:00~19:00 サロン営業(休憩あり)
19:00~20:00 掃除・帰宅
- 拘束時間は10時間
- 10分休憩×3とランチ休憩が30分
- 週休2日で福利厚生あり
朝もそこまで早くなく、1日を通してご飯を食べられる時間があるので健康的な生活ができます。
美容室というよりは、一般的なサラリーマンのような勤務時間ですね。
フリーランス
自分の顧客を持っていることで、自由に勤務時間を決められるのがフリーランス美容師のメリット。
8:30~9:30 起床・朝ご飯・出社
9:30~10:00 掃除・準備
10:00~20:00 サロン営業(空いた時間に休憩)
20:00~20:30 片付け・掃除・帰宅
- 拘束時間は11時間
- 休憩はカラー放置中やタイミングを見て
- 定休日や有給休暇は無し
フリーランス美容師の忙しい日はこのようなスケジュールになりますが、勤務時間については自分次第です。
休憩が欲しいのであれば、予約をずらして取るなどすれば可能です。
後輩の指導や練習・ミーティングが無い分、拘束時間は少ないですね。
有名店
都内の一等地、有名なカリスマ美容師がいるような美容室です。
まずはアシスタントの勤務時間から。
5:30 起床・出社
6:00~10:00 掃除・自主練習
10:00~12:00 全体練習・ミーティング
12:00~21:00 サロン営業(休憩時間なし)
21:00~21:30 休憩・夜ご飯
21:30~24:00 掃除・アシスタント全体練習
24:00~ モデハン・飲み会 or 帰宅
- 拘束時間は18時間
- 休みは月に6日(大抵は講習やヘアメイクの現場について行き潰れます)
- 休憩は夜以外無し・有給は都市伝説
アシスタントの労働環境は凄いことになっています。
もちろん店によるんだけど、それでも大変なことが多いよね。
では次にスタイリストの勤務時間も見ていきましょう。
8:00~9:00 起床・朝ご飯・出社
9:00~10:00 自主練習(という名の強制練習)
10:00~12:00 全体練習・ミーティング
12:00~21:00 サロン営業(空いた時間に休憩)
21:00~21:30 休憩・夜ご飯
21:30~23:00 アシスタント指導 ・帰宅
- 拘束時間は15時間
- 休みは月6日(ヘアメイクなどでほぼ潰れる)
- 休憩はカラー放置中やタイミングを見て
ある分野で一流と言われる人たちはこのような生活を送っています。
美容師は好きだけど、この生活にはついて行けないし犠牲が多すぎるから辞めたよ!
海外
僕は現在オーストラリアの日系サロンで働いていますが、勤務時間は下記のようになります。
8:30~9:45 起床・朝ご飯・出社
9:45~10:00 掃除
10:00~18:00 サロン営業(休憩30分)
18:00~18:15 掃除・締め作業・帰宅
- 拘束時間は8時間半
- 週休2日で福利厚生あり
- ランチ休憩30分
日本の美容師の勤務時間と比べると、かなり人間らしい生活が出来ていますね。
日系サロンですが、営業中の会話は9割が英語です。
最低でもサロン英会話ができないと厳しいよ!
客単価は1万円前後なのでお客様に求められるレベルも低くはないのでプレッシャーは常にあります。
しかし、好きな美容師をしながら人間らしい生活ができるというのは魅力的ですよね。
美容師の勤務時間に不満があるなら
現状の美容師としての勤務時間に不満があるなら、異業種に転職か美容院を変えることを考えましょう。
美容師の労働時間を大幅に減らせる可能性があるのは下記の3つ。
- 異業種
- フリーランス
- 海外
異業種
美容業界以外にも、あなたの力を必要としている業界は多数存在します。
僕(30代現役美容師)が転職サイトに登録したらどんな業種で働けるのかを調べてみたよ!
このような感じで定期的に求人を紹介してくれます。
30代男性美容師に来る求人は下記の職種が多いです。
- 注文住宅営業
- 施設保守修繕担当
- カスタマーサポート
- 保険会社
- 某有名ファッションブランドスタッフ
正直言って、やりがいは美容師の方があると思うけど生活は良くなるはず!
フリーランス
美容師としての勤務時間を改善するにはフリーランスも有効な選択肢です。
1日の勤務時間を8時間にすることや、稼ぎたい時は10時間働くという自由があります。
基本的にはマンツーマンでの接客になり、アシスタントもいないことから練習や後輩の指導などはありません、
お客様が終わったらすぐに帰れるね!
フリーランス美容師になる事で
- 高い還元率で収入アップ
- 人間関係に悩まされない
- お客様とより深く関われる
というメリットもあります。
海外
先進国での美容師の勤務時間は日本に比べ、かなり優遇されているように感じます。
個人の時間や家族との時間を重要視する国民性の為、労働者の権利はしっかりと守られています。
上記でも紹介したように、僕が現在働いているサロンでは
- 完全8時間勤務、週休2日
- 残業手当や有給休暇、病欠は完備
- ミーティングは給料発生
といった具合に労働環境が整っています。
海外での美容師に興味があればこちらの記事もチェックしてみてください。