美容師に将来性はあるのか?
将来稼げるかどうかを考えなければ、美容師に将来性はあります。
これからの時代、最先端のAI技術に仕事を奪われてしまうという人は多くなってきます。
- 事務員
- 運転手
- オペレーター
- 製造業
- 清掃員
以上が技術の発達によって需要が少なくなるであろう職業と言われています。
これらに共通しているのは人よりも正確に、効率よくAI技術がこなすことができるという点。
しかし髪形や髪色に関しては人によって細かく変える必要があり、AI技術が対応しきれない為に今後美容師という職業は衰退していかないかと思っています。
職業自体は衰退しないけど、結局はどのぐらい稼げるのかってのが重要だよね。
美容師の将来性=稼げる金額として考えるのであれば答えはノーです。
美容師は一見華やかに見える世界ですが、冷静になって考えてみると周りに40代や50代の現役美容師さんって少ないですよね。
つまりはほとんどの美容師は途中で辞めていくかプレイヤーを辞めて管理する側に回ります。
これからの日本に起こりえる状況をあらかじめ考えておき、美容師としての将来設計を綿密に立てていきましょう。
頭に入れておきたいことは以下の3つです。
- 競合店の増加
- 少子高齢化による顧客の変化
- 安定した職を好む若い世代
競合店の増加
いきなりですが、下記の業種で国内で店舗数が多い順に並べ替えてみてください。
- コンビニ
- 歯医者
- 接骨院・マッサージ店
- 美容室
- 不動産屋
- 居酒屋
- 診療所
では答えがこちらです。
なんと美容室の数は居酒屋やコンビニを差し置いて見事1位に輝きました。
どうせ東京にすっごく集まってるんでしょ?ライバル多いなら田舎行けば勝てるんじゃない?
人口に対する美容室の数で見てみると、どこが飽和状態なのかが分かるんだ。上位はなんと…
- 秋田県 301軒
- 徳島県 300軒
- 山形県 285軒
- 高知県 278軒
- 鳥取県 278軒
都市部は一切出てきません。
逆に東京・大阪・名古屋・神奈川・などの主要都市は以下の通りです。
- 東京都 161軒 43位
- 大阪府 180軒 40位
- 愛知県 159軒 44位
- 神奈川県 123軒 47位
面白いことに、都市部の方が人口に対しての美容室数は少なくなっています。
感染症による地方移住が活発になっていますが、美容師の場合は必ずしも正解とは言えないのが現状です。
少子高齢化による顧客の変化
日本では少子高齢化が問題として取り上げられているのは美容師でも知っていますよね。
少子高齢化ってのはよく聞くけど、正直あまりよく分かんないかな。
将来的にはお客さんの年齢層が変わってくるから、美容師もしっかりと考えておかないといけないね!
総務省統計局の資料によると、
日本の高齢者(65歳以上)の人口は3640万人で過去最多となり、総人口の29.1%を高齢者が占める超高齢社会となっています。(2021年9月時点)
この数字が他の国と比べ、どれほど高いのか。
こちらの図を見てみましょう。
日本の高齢者の割合はぶっちぎりで世界一位となっています。
ちなみにWHO(世界保健機構)と国連は高齢化を以下のように定義しています。
・65歳以上人口の割合が7%超:「高齢化社会」
・65歳以上人口の割合が14%超:「高齢社会」
・65歳以上人口の割合が21%超:「超高齢社会」
既に日本は【超高齢社会】を超えてしまっています。
そしてさらに内閣府によると、
- 2036年には33.3% 65歳以上は3人に1人の計算
- 2045年には36.8%
- 2065年には38.4% 図にする
まで高齢化率は上がり続けると予想しています。
美容師にとっては、将来的にお客様の高齢化に合わせて求められる技術やサービスが変わってきます。
- ブリーチよりも白髪染め
- カットよりもパーマ
- オシャレな美容室よりも近くの美容室
- 流行りのスタイルよりもベーシック
このように流行りに集中するよりも、基本的な事を当たり前にできる美容師が支持されていくのではないでしょうか。
美容師として将来性が不安…というあなたは少子高齢化を逆手にとって考えると勝機が見えてくるんじゃないかな?
安定した職を好む若い世代
2021年はYoutuberを筆頭に、【好きなことで生きていく】という考え方が一般的になってきているかなと思います。
実際に、全国の美容師約50万人のうちライフスタイルをより自由に決められるフリーランスとして働いている美容師は約83,000人。
美容師全体の約16%がフリーランスとして働いていることになります。
しかしフリーランスとして働いているのは20代後半~30代の既にスキルがある美容師がほとんどを占めます。
ではこの世代よりも若い世代はこれからどのように働いていきたいと思っているのでしょうか。
以下は2017年度の内閣府が発表した若者の就労に対する意識まとめです。
16歳から29歳までの男女(有効回答数10,000)
図
以上の事からも分かるように、これからの若い世代は
- 仕事よりもプライベート
- 好きな事を仕事に
- 安定して長く仕事を続けられる
という点を重要視していることが分かります。
独立してスタッフを雇いたいと考えているのであれば、これまでの美容業界のやり方では通用しません。
以上の3つが美容師の将来には大きく関わってくることを今のうちからしっかりと意識しておくべきですね。
美容師の将来は5つの選択肢に絞られる
美容師としてキャリアアップしていく方法は下記の5つに絞られます。
- 役職に就く
- カット専門店
- 独立
- フリーランス
- 異業種
- 海外
では詳しく見ていきます。
役職に就く
アシスタント、スタイリストと順調にステップアップしていくと会社内で役職に就くことがほとんどです。
マネージャーや主任、幹部、ディレクターなど呼び方に差はあれど基本的にやるべきことは同じ。
- 美容師としてお客様を担当
- 美容室の方向性や戦略を決定
- スタッフ管理
- 経営管理
- 店舗の運営
以上のように、美容師としてだけでなく美容室の運営に携わってきます。
やるべき事はスタイリストよりも多いのですが、それと同時に自分の売り上げも落とさないように意識しなければいけません。
役職に就くメリット
- 役職手当がつく
- やりがいが多い
- 経営についても勉強できる
役職に就くデメリット
- 精神的負担
- 身体的負担
スタイリストと同等の仕事をこなしつつ、さらに多くの責任を負うことになるので精神・身体的負担はあります。
しかし役職手当がつくので当然スタイリストよりも給料はよくなり、独立する際の勉強も同時にすることができます。
給料に関しては本当に幅があるので何とも言えませんが、
- 業務委託での店長 +3~10万円
- 全国チェーンの店長 +5~10万円
- 有名店の店長 +10~30万円
このように店の形態や、やるべきことによって役職手当は変わります。
美容師店長)
カット専門店
シャンプー無し・カラー無し・パーマ無しのカットのみを行っている専門店。
有名店で働いている美容師からすると、正直馬鹿にされるサロン形態かもしれません。
- カットは15分以内
- 一日20~30人を担当
- 髪形はほぼ固定
と大雑把に説明するとこのような業務内容ですが、意外とお給料は良いです。
美容師の平均月収を超える25~30万円に設定されており、役職などが付くとさらに5~10万円高くなります。
カット専門店で働くメリット
- 練習は無く、通常サロンよりも早く帰れる
- 給料の安定性
- 営業中の休憩
カット専門店で働くデメリット
- 感情無しで黙々と髪を切る
- 手や時計が臭く、ベトベトになる
- 仕事に慣れると本来の美容師業務に戻れなくなる
僕はオーストラリア版千円カットで3か月間働いていましたが、想像を絶する大変さでした。
まぁ給料はかなり良かったけどね!
独立
多くの美容師が目指しているゴールは独立して自分のお店を持つこと。
独立するために準備しておくことは以下の4つ
- 開業資金
- 顧客の固定化
- 事業計画
- 物件探し
一般的には開業資金は1000万円から2000万円必要とされています。
店をオープンして数か月は赤字でも運営できるよう運転資金と生活資金は必須になるので上記の予算はおさえておきたいところ。
多くの美容師は銀行から融資を受けることになりますが、事業計画をしっかりと練らないと融資を受けることができません。
この事業計画には見込み客や既存のお客様などを含め、計画を立てていきます。
また、物件も自分が理想とするサロン運営に適した所を選ぶ必要があるので多くの場合は1年ほどかかります。
成功すればリターンが大きいですが、失敗して千円カットやチェーン店に再就職という人も多くいます。
大きな希望を持っている際に、人は悪い側面を見ないようになってしまうんだ。しっかりとリスクまで受け入れて独立しようね!
美容師独立)
フリーランス
最近では自由な働き方&高い還元率で人気になってきているフリーランス美容師。
フリーランス美容師とは
自分の売り上げに対して40~70%の報酬が発生。
月に100万円売り上げたら40万円から70万円の報酬が発生し、給料として貰えます。
自分で働く日数や時間を調整できるので、ダブルワークや独立前のシュミレーションとしても利用できます。
メリット
- 働いた分だけ給料が上がる
- お客様とより深く関われる
- 自分で労働環境を構築できる
デメリット
- 責任は全て自分
- 働かない=収入ゼロ
僕もフリーランスとして働いた経験はありますが、率直な感想としては
一生フリーランスとして働くことは出来ない
ということ。
フリーランス美容師についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
異業種
労働環境や待遇に満足できないという美容師は異業種に挑戦する人も多いです。
- 今まで美容師しかやってきていない
- 何も資格がない
- 大学にも行っていない
などの理由でなかなか踏み出せない人も多いはず。
しかし、実際に転職会社に登録し、様々な業種を見ていくと経験が無くてもやる気で何とかなってしまう業界も多々あることが分かります。
- 注文住宅営業
- 施設保守修繕担当
- カスタマーサポート
- 保険会社
- 某有名ファッションブランドスタッフ
資格や経験が無くとも、あなたを必要としている場所は多くあります。
美容師特有の労働環境で揉まれてきた人は多少の事では挫折することも少ないはず。
美容師としての1番のアドバンテージは根性があること。
自分に自信を持って、異業種に挑戦することで素敵な将来を探せるかもしれませんね。
海外
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