美容師の給料・手取りを今よりもアップさせる方法

目次

美容師の平均的な給料と手取り

美容師の平均年収はは311万円となり、税金などが引かれた後に手取りとして残るのは約248万円。

月の手取りで考えると、約20万円となります。

ここから家賃や光熱費、交際費や食費などを捻出するので思ったよりも残る額は少ないですね。

一方で日本人全体の平均年収は436万円となっており、いかに美容師の給料が安いかを実感できます。

美容師の給料と拘束時間

美容師の給料は低く、拘束時間と絡めて考えると労力と釣り合ってないと感じてしまうかもしれません。

以下は僕が新卒で入社した表参道の美容室ですが、その時の手取りと生活パターンです。

タナカ

14万円…美容師の平均月収をガッツリ下回ってるね!

タナカ

Oh…拘束時間が18時間…

この時は美容師のアシスタントという事もあり、薄給・激務な毎日でした。

月の休みは6日間と設定されていますが、実際には先輩の手伝いやモデハン・練習などで月4日の休み。

  • 26日間勤務で日当は5,800円
  • 拘束時間18時間で時給は320円

こんな美容室だと、労力と釣り合ってないと思ってしまうのも無理ありませんね。

しかしアシスタントのお給料なんてこんなものです。

タナカ

子供のおこづかいだね!

技術を身につけてスタイリストにさえなってしまえば給料を上げることは余裕です。

美容師が給料を上げることは可能

美容師が給料・手取りを今よりも上げる方法について、実際の給料と生活パターンを紹介しながら解説していきます。

美容師として給料・手取りをアップさせる方法は以下の5つです。

  • 業務委託サロンで働く
  • フリーランスになる
  • 店長などの役職を目指す
  • 独立する
  • 海外で挑戦

業務委託サロンで働く

業務委託サロン=通称【美容師の墓場】

少なくとも僕の周りではこのように呼んでいます。

その理由としては

  • 労働時間のリミット解除
  • 技術向上の余地なし
  • 美容師ではなく、まるで工場勤務

業務委託サロンでは個人事業主として働くので、労働基準法など関係なく自分が働きたい時間だけ働きます。

クオリティーは重視しない客数×時間に焦点を置いた薄利多売な働き方です。

そのために練習時間は無く、定期的に技術を向上させる環境がありません。

業務委託サロンについて知りたい方はコチラからどうぞ。

美容師 フリーランス)

デメリットは強烈ですが、従来の美容室よりは稼げます。

以下は僕が東京の業務委託サロンで働いていた際の給料と生活パターンです。

完全歩合で歩合率は以下の通りです。

  • フリー 40%
  • 指名 50%
  • 面貸し 60%

月の給料は約25万円ですが、個人事業主はここから自分で確定申告をします。

タナカ

アルバイトの給料ぐらいになったね!

フリーランスで顧客をつける

フリーランスとしてシェアサロンなどで働くことで業務委託よりも歩合率を高くして働くことが可能です。

サロン使用料や歩合率は本当に店によって変わるので、これといった数値は出せません。

一般的なフリーランス美容師の歩合率は70~80%となっています。

個人売上が月100万円の場合

70~80万円がお給料として発生し、20~30万円がサロン使用料・薬剤費として引かれる

しかし月100万円の売り上げを1人で継続するのは難しく、大多数の美容師は月60万~80万円で落ち着くようです。

僕もオーストラリアへ来る前に資金を貯める必要があり、数か月フリーランスとして働いていました。

その時の給料は以下の通りです。

生活パターンや歩合率は以下の通りです。

休み8日

入客数80名ほど 前サロンのお客様やご紹介、SNSでの集客。

平均客単価は8000円で、毎月60~70万円の売り上げ

サロン使用料は35%(薬代込み)

給料は40~45万円

9:30 出社、掃除、準備
10:00~20:00 営業
20:00~20:30 閉店業務、掃除、帰宅

拘束時間は11時間半で練習は無し

家賃は9万円で月の貯蓄額は5万円

タナカ

顧客を持っていると日本人の平均年収以上稼げるんだね!

役職に就く

店長やマネージャーなどの役職に就くことによって、基本給を上げることも可能。

以下は今まで僕が働いた美容室での待遇です。

  • 業務委託サロンでの店長は月8~10万円を報酬として上乗せ
  • 個人店で店長になる事で固定給40万円+売り上げ100万円を超えた額に対して30%
  • チェーン店でのエリアマネージャーになる事で店舗売り上げの5%が基本給に上乗せ

このように役職手当がつくので、フリーランスでなくとも月収40万円を超えることは可能ですね。

タナカ

僕は店長として働いたことはないよ!

独立する

美容師にとって1つのゴールともいえる美容室ですが、必ずしも給料が上がるとは言い切れません。

僕は独立をしたことが無いので、以下知り合いの美容師の経験を基に給料と生活パターンを紹介します。

海外

美容師としての給料・手取りを上げたいのであれば海外は選択肢の一つに入ります。

僕は現在オーストラリアで美容師をやっていますが、ワーホリで渡航して働いたお店は以下のような給料でした。

基本的にオーストラリアでは月給ではなく、週給や2週間に1回給料が振り込まれます。

このサロンは週給ですが、1000ドル=85,000円の手取りですね。

タナカ

月給で考えると34万円が手取りとして貰えるんだ!

そして僕が現在働いているサロンでの給料は下記の通りです。

2週間毎の給料になります。

入社した当初は顧客もいないので最低保証額である時給24ドル=2000円からのスタートです。

この状態から顧客が付くことによって、査定が以下のように一気に上がります。

2週間で手取り2500ドル=21万円、月給で考えると5000ドル=41万円となります。

日本でも美容師としての給料を上げることも可能ですが、海外だと大幅に給料が上がりますね。

上記の2サロン以外にもオーストラリアでは働いています。それらの給料や生活パターンはコチラからどうぞ。

美容師 海外 給料)

美容師として給料を上げるには限界アリ

ここまで日本と海外での給料を紹介してきましたが、日本で美容師としての給料をアップさせるには限界があると思います。

理由としては以下の4つが考えられます。

  • 単価と還元率
  • 競争の激化
  • 美容師の旬
  • 精神・身体的負担

単価や還元率に限界アリ

厚生労働省によると、美容室での平均客単価は6,000円という結果に。

そして1日の平均客数は以下のように多くの美容室が10人前後

タナカ

美容師ではなくサロン単位で10人だよ!

上記のデータを基に、月のサロン売り上げを予想すると

客単6,000円×客数10人×月20日営業=120万円

ここから従業員への給料や固定費を払っていきます。

従業員数を2人と仮定すると

美容師の平均給料25万円×2人=50万円

家賃は売り上げに対して10%が望ましいとされていますが、幅を持たせて15%と仮定します。

サロン売り上げ120万円×15%=18万円

平均的な材料費は10%前後=12万円

この時点で80万円を人件費と材料費に充てることとなり、残りの40万円からその他の固定費を捻出します。

  • 光熱費
  • 広告費
  • 備品
  • 保険
  • 通信費
  • 税金

これらに関してはサロンによりますが、総じて10万~30万円ほど必要です。

つまり、美容室オーナーの報酬として残るのはざっくり10万~30万円という計算になりますね。

以上は平均客単価から見えてくる経営者としての利益ですが、プレイヤーとしての報酬は以下のように考えられます。

個人の月売り上げ100万円を達成するために必要な客数と1日当たりの客数(20日勤務)

  • 客単価6,000円→166人=1日8人
  • 客単価7,000円→142人=1日7人
  • 客単価8,000円→125人=1日6人
  • 客単価9,000円→111人=1日5.5人
  • 客単価10,000円→100人=1日5人

アシスタントがいる場合だと月の客数166人は可能ですが、1人で対応する場合の限界は経験上120人程度かと。

還元率の高いフリーランスとして働く場合は1人で対応することがほとんどですが、120人が月の限界だと仮定すると

  • 客単価6,000円×120人=72万円→58万円(還元率80%)
  • 客単価8,000円×120人=96万円→77万円(還元率80%)
  • 客単価10,000円×120人=120万円→96万円(還元率80%)

以上のようになります。

一見魅力的な数字に見えますが、この売り上げに達するには相当な集客力とスキル、そして体力が必須です。

現実的に、40歳を超えてもこの働き方ができる美容師は限られるかと思います。

競争の激化

日本では美容室の数が多く、競争率が非常に高いです。

それに付随し、少子高齢化がこの先より問題になってくることが考えられます。

若い美容師が若い客層をターゲットにすることは問題ありませんが、40代の美容師が若い客層をターゲットにすることはこの先難しくなるかと思います。

美容室の競争率や少子高齢化に伴う美容師の問題点は下記にまとめてあるのでチェックしてみてください。

タナカ

美容室の数と飲み屋の数ではどちらが多いと思う?

美容師の旬は短い

美容師としての旬な時期は30代まで。

以下は厚生労働省の発表している美容師の平均年齢です。

美容師として働いている80%は20代、30代となっています。

タナカ

30歳を迎えるとこの先の生活や自分の健康・家族の事などを考える機会が多くなるんだよなー。

40歳を迎えると美容師としての給料をアップさせようとする前に、異業種に挑戦する人や経営側に回る人がほとんど。

つまり、美容師としての給料に限界を感じる人が多数いるということです。

身体・精神的負担を強いられる

美容師として働いていると身体・精神的負担を強いられることが多いですよね。

以下30人の美容師さんに拘束時間についてアンケートを取った結果になります。

拘束時間8時間という美容師はいなく、大多数が10時間という結果になりました。

また、職場での人間関係によるストレスも多く美容師を嫌いになるという声も多数ありました。

美容師として稼ぐ=身体・精神的負担を妥協する

以上の事を多少は受け入れないと、美容師としての給料をアップさせるのは難しいのかなと思います。

美容師が給料を良くしたいなら海外へ

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