ワーキングホリデーの概要
広大な土地と雄大な自然が特徴のオーストラリアには、世界でも有数の美しいビーチや観光スポットが豊富です。
ワーキングホリデー加盟国の中でも人気トップ3のオーストラリアでワーホリを利用する際の気になるコト
- 申請条件
- セカンド・サードワーホリ
- 必要な費用
についてまとめていきます。
ワーホリを利用するには色々とルールが決まっているんだ!
申請条件
セカンドワーキングホリデー
オーストラリアでは特定の条件を満たすことでビザ有効期限である1年を2年に延長することができるセカンドワーキングホリデー(通称セカンドワーホリ)を利用することができます。
セカンドワーホリを利用するための条件は以下の通りです。
- 18‐30歳以下である
- 十分な資金がある
- 1回目のワーホリを利用したことがある
- 指定職種に88日間以上従事したことがある
- ビザ申請費用の$485を支払える
- 心身ともに健康であること
- 犯罪歴がないこと
指定職種とは、以下の6つのカテゴリーに分けられた指定地域(田舎)での労働の事を指します。
いずれかの業種に従事し、通算88日間以上の労働を証明する事でセカンドワーホリ申請の条件を満たすことができます。
費用
オーストラリアでワーホリを利用するにあたって費用の事も考えておかないといけません。
このブログを見ている人は美容師がほとんどなので、美容師がワーホリをするために必要な費用をまとめます。
費用は目的、ライフスタイル、価値観によって変わりますが、大きく分けて
- 英語力・海外生活に不安があるパターン
- できる限り費用を節約するパターン
の2つに分けられます。
英語力・海外に不安がある人は1年間滞在するのに約50万円かかるのに対して、費用を削るパターンは約180万円の貯金ができることになります。
正直に言うと、語学学校やホームステイは必要ありません。
- 自己紹介
- 文法学習
- 話題に対してみんなで話し合う
貴重な時間を割いてやることは自分でもできる事ばかり。
これらはコスパが非常に悪く、美容師として働けるならお客様と会話した方がはるかに勉強になります。
ワーホリで渡航する前に英語は自分で勉強できます。
こちらに美容師が独学で英語を勉強する方法をまとめているのでチェックしてみてください。
ワーホリのエージェントで準備金と称して10万円以上請求する会社もあるようだけど、はっきり言って無駄でしかないよ。
現実的に必要最低限の費用でワーホリに行くなら申請費用や航空券など含めて40~50万円ほどあれば大丈夫かと思います。
僕はオーストラリアに着いた時点で残り5万円しか残っていませんでした。
美容師がワーホリをするメリット
美容師がワーホリをすることで得られるメリットは日本では得られないことばかりです。
給料の高さ
オーストラリアでの最低賃金は21ドル=85円換算で1785円となっており、日本の最低賃金を大きく上回っています。
日本と比べて約2倍の最低賃金なんだね!
日本の美容師は拘束時間が長いので、実際の時給は900円を下回ることもしばしば。
しかしオーストラリアでは労働者が守られているので、無駄な拘束時間などもなくサービス残業はありません。
ワーホリの美容師だとしても月に3200ドル=約27万円を稼ぐことも全然可能です。
美容師の需要は高い
オーストラリアでのワーホリは仕事探しに苦労することも珍しくありません。
英語力があったとしてもスキルがないと日本食レストランやマッサージショップで働くことになり、給料に関しても足元を見られることがほとんどです。
その点、美容師は技術職なのでどの都市でも働くことができ、多少英語力が足りなくても最低賃金以上を貰うことができます。
美容室でも違法な給料体系のとこはたくさんあるよ。自分の価値を落とさないように美容室はしっかり選ぼうね!
他に比べて仕事探しに苦労することのない美容師はワーホリ向けであるといえます。
美容師海外給料
ゆっくりとしたライフスタイル
海外での生活は日本での美容師生活に慣れているとびっくりするかと思います。
- 労働時間は長くても8時間
- 完全週休2日
- ローカルのお店では閉店10分前にカバンを持って帰る準備万端
- 残業は絶対にしない&するならお客様に残業代を請求
- 時間の流れが穏やか
- 広大な自然と世界屈指のビーチがすぐそこに
- 肩の力が抜けたファッション
オーストラリアでの生活は一言でまとめるとゆるいです。
日本のように仕事に全力を注ぐスタイルではなく、しっかりと自分の時間を充実させることに重きを置いています。
どれも日本に住んでいると考えられないことばかりですよね。
ビジネスビザや永住権に繋げられる
僕は個人的に美容師としてのワーホリの最大のメリットは永住権に繋げることができる点だと思っています。
海外で永住権を取るメリットは
- 社会福祉の良さ
- 高水準の給料・生活環境
- 税率の良さ
- 子供にとっての教育環境
などがあり、永住権を取得しながら日本に住むことも可能です。
詳しくはこちらにもまとめてあります。
オーストラリアでのワーホリは現在最長3年間となっており、ハードルの低い申請条件で自由に働ける最強のビザです。
美容師として永住権を取るのであれば、基本的には下記のようなプランで目指すことができます。
- オーナーからの信頼を得てビジネスビザを取得
- ビジネスビザで数年間就業
- 永住権申請&取得
この中で圧倒的に難易度が高いのが①の【信頼を得てビジネスビザを取得】です。
理由としてはオーストラリアでのビジネスビザ取得には厳しい条件が課せられています。
- 英語力
- 職歴
- 申請費用
- 年齢
- 最低給与
- 美容室がしっかりと運営されているか
- 1つの美容室に対しての発行可能ビザ数
- ビザ申請のタイミング
これらのうち、1つでも欠けているとビジネスビザは取得できません。
厳しい条件をクリアするために、最長3年間自由に働けるワーホリを利用できるんだよ!
では以上を詳しく見ていきます。
英語力
美容師としてワーホリを申請する際に英語力を求められることはありませんが、ビジネスビザの場合は高いレベルの英語力が求められます。
日本では馴染みのないIELTS(アイエルツ)という試験で英語力を証明します。
IELTSは読む・聞く・話す・書くの4技能で構成されたテストで0から最高スコアの9.0まで0.5刻みで評価されます。
1回の受験料は毎年値上がりしていますが、現在は29,400円です。
このIELTSのスコアを6.0取得することでビジネスビザに申請することができます。
一般的にスコアを0.5上げるのに必要な勉強時間は250時間、ネイティブでも対策なしで9.0は不可能と言われています。
スコア6.0はTOEICで大まかに換算すると900点前後ですが、TOEICと違いスピーキングとライティングも含まれているので日本人にとって難易度はかなり高いかと思います。
僕は英語力ゼロの状態から約3年間必死に勉強して7回目の受験で6.0をパスしたよ!もう絶対に受けたくない!
職歴
ビジネスビザを申請する場合には美容師としての職歴が2年以上あることが前提です。
海外で日本の職歴を証明するためには公的な書類が必要になるので、必ずあなたの思っている職歴が証明できるとも限りません。
これに関して、多ければ多い方が有利になります。
申請費用
オーストラリアは移民をビジネスとして掲げています。
ビザ申請費用は政府にとっても貴重な収入源であるために非常に高く設定されています。
- これまでの職歴や経歴、犯罪歴の証明のため(スキルアセスメント)に2000ドル=17万円
- ビジネスビザ申請に4000ドル=34万円、配偶者は2000ドル=17万円、子供は1000ドル=8万5千円
1人で申請する場合は最低6000ドル=51万円、夫婦で申請する場合は+2000ドル=68万円と高額です。
ビザエージェントを利用する場合はこれらにさらに6000ドル必要だと考えてください。
ちなみに僕はオーナーに2人分負担してもらったよ!感謝!
年齢
申請時の年齢が45歳以下であることがビジネスビザの条件です。
辛い現実ですが、オーストラリアが求めているのは若い人材です。
最低給与
会社が美容師に年俸60,000ドル=510万円以上支払う確約する必要があります。
つまり、年俸510万円を支払っても欲しい人材でないと会社はビザを出しません。
美容室の運営状況
会社の情報は過去に遡って政府によりかなり細かくチェックされます。
- 違法賃金
- 違法な労働時間
- 脱税
以上の事は必ずチェックされ、このどれかに当てはまっているとその会社はビザを出すことができません。
発行可能ビザ数
1つの美容室にはビザを発行できる上限が設定されています。
規模によって変わりますが、会社も無限に出せるわけではありません。
申請のタイミング
いつでも美容師としてビザを申請できるわけではありません。
政府が半年に1度、オーストラリア国内で必要とされている職種をピックアップしリストにします。
現在はこのリストに美容師が含まれていますが、外された時点でビジネスビザや永住権への道はかなり厳しくなります。
このように、ビジネスビザを申請するには数多くの条件を満たしていく必要があります。
これには時間と労力、費用がかかりますが、ワーホリビザであれば最長3年間働きながら滞在可能というメリットを最大限に生かすことができますね。
ワーホリ美容師の必須スキル
ここまで美容師がワーホリをする事でのメリットをまとめてきましたが、美容師であれば全員需要があるとは限りません。
もしあなたが美容師としてワーホリをしたいなら下記の3つは必須になります。
- 経験
- 美容技術
- 英語力
経験
オーストラリアでは美容師免許は必須ではありません。
極端な話、そこら辺のおっちゃんが俺は美容師だといったら美容師としても働けるという感じです。
いくら美容師免許がいらないといっても美容師としての経験は必須です。
ビジネスビザに切り替えることも考えるとしたら最低でも2年。
スタイリストとしてしっかり働きたいのであれば最低でも3年の経験は欲しいです。
やはり美容室側も大切なお客様を美容師に任せるので、経験がある美容師の方が信頼できますよね。
美容技術
基本的には日本でスタイリストとして働いているならばワーホリでも即戦力の美容師となります。
しかし、海外での必要なスキルと日本で必要なスキルは微妙に違います。
海外で求められている技術は下記の5つです。
- ブロードライ
- バリカン
- ブリーチ
- 正確なカット
- 提案力
ブロードライ
ローカルのお客様はほとんどが軟毛で癖毛であるために、仕上がりのブロードライを重要としています。
そして日本人と違うのは、毎日シャンプーをしないという事。
髪質のせいで自分ではうまくスタイリングが出来ない為、週に1回しかシャンプーをしないというお客様が多いです。
このようなお客様はサロンでシャンプーとブローをすることが多く、ブロードライの技術が日本よりも求められていることがよくわかりますね。
僕はこっちに来てからコテを使うことがほっとんど無くなったよ!
バリカン
メンズカットではバリカンを使ってフェードスタイルを作ることが非常に多く、ぼかしをバリカンで作っていきます。
日本の場合だとハサミでぼかしていくことが多いですが、慣れるとバリカンでフェードを作った方が早くて楽かなと思います。
ブリーチ
日本でいうオシャレ染めをするお客様はもちろんいますが、ブリーチやハイライトをするお客様が圧倒的に多いです。
使える薬剤も日本では認可されていないオキシ9%・12%とあるので、それらを駆使して様々なデザインのハイライトやグラデーション、バレイヤージュをすることがかなり多いです。
僕の場合はブリーチを希望するお客様が毎日いるという感じ!
正確なカット
海外の美容師はカットが上手い=サスーンカットは海外だから!
という浅はかな考えが僕にはありました。
海外の美容師は全員サスーンのような綺麗なスタイルを毎日バリバリに作っていると。
しかし現実は違います。
ローカルの美容師は意外と適当にカットしていることが多く、左右の長さが1センチ違うなんてことは日常茶飯事です。
こんな状況だからこそ、日本人美容師の正確なカットは非常に好まれます。
提案力
日本人のお客様→希望のスタイルがある
海外のお客様→希望のスタイルが定まっていない
日本と海外のお客様の違いはこんな感じです。
日本人のように髪について詳しくなく、ブリーチと縮毛矯正を同時にやってほしいというお客様もかなり多いのが現実です。
ファッションなどの流行りも無く、お客様自身に似合う髪形を求められることがほとんど。
その際に、日本での受け身接客に慣れているとうまく提案できず苦痛な時間が流れます。
まずは顔の形に合った髪形の提案や、肌色に合った髪色の提案をできるようにしておくことで困ることはないかと思います。
髪の知識が無いお客さんを教育しながら信頼度を高め、再来してもらうという事ができるよ!
語学力
いきなりペラペラに喋れる必要は全くありません。
美容室で使う定型文を覚えておくだけでスムーズに仕事に入っていくことができます。
美容師がサロンですぐに使える英会話はこちらにまとめてあるので興味があれば見てみてください。
僕はこのサロン英会話を全く覚えないで働き始めたから地獄でしかなかったよ!これまで何回枕を濡らしたことか…
ワーホリで美容師をするために必要な資金
ワーホリに必要な費用でも述べましたが、美容師がワーホリを利用するのに現実的な費用は50万円です。
ここでは僕が美容師としてワーホリに行くために行った貯蓄法とアルバイト、問題点を解説していきます。
美容師としてワーホリ資金を貯めるのは難しい
結論から言うと薄給&激務な美容師に50万円を貯蓄する事はかなりレベルが高いです。
理由としては美容師として稼げる給料の限界と余裕のない生活リズムがあります。
給料の限界
もしあなたが高い売り上げを持っており、顧客を引っ張れるのであればフリーランスになることで50万円は1か月で稼げると思います。
しかし、それ以外の美容師にはどうしても稼げる限界があります。
2021年度の美容師の平均年収は311万円。日本の平均年収は436万円です。
このように美容師の平均年収は他業種に比べかなり低く、税抜きで考えると月収20万円の手取りです。
ここから生活費や必要経費を引くと、東京だと月に5万円貯金するのが限界です。
僕の場合は東京の業務委託サロンで働いていましたが、月収はおよそ30万円ほど。
しかし1日の労働時間は12時間、月26日勤務とかいう過労死コースでした。
図
美容師の給料についてはこちらの記事で詳しくまとめています。
ごく平凡な美容師が50万円を貯めるには結局10か月かかりましたが、かなり体力的に厳しかったです。
しかしこの時の経験があるからこそ、海外での美容師の給料の良さに感謝しています。
今は月に手取りでおよそ40万円貰っているよ!
美容師 海外 給料
実際に僕が貯めた方法
ワーホリに行く前にフィリピン留学に行く予定だったので、ワーホリ費用の50万円+フィリピン留学の60万円を貯めるために死ぬ気で貯金しました。
僕は当時から彼女と一緒に住んでいたので、8万円の家賃を折半。
業務委託サロンだけでは貯まるスピードが遅いので、キャバクラでのヘアメイクも始めることを決意。
その時のスケジュールはこんな感じです。
図
もういつ過労死してもおかしくないですよね。
しかしキャバクラのヘアメイクは給料が良く、意外とお勧めできます。
副業を始めようと思っているあなたはこちらも参考にしてみてください。
美容師 副業