バレイヤージュオンカラーのやり方と塗り方
バレイヤージュオンカラーのやり方と塗り方は下記の順番で行います。
- 根元の馴染ませ
- 毛先にカラー剤塗布
- 毛先のムラを無くす
- 席でのカラーチェック
- シャンプー台での色味調整
では順番に見ていきましょう。
根元の馴染ませ
ブリーチ塗布でボケ加減とコントラストを意識してデザインを作ったとしても、必ず根元の境界線(ディバイディングライン)はできます。
オンカラーではディバイディングラインをうまく消し、毛先に繋げつつ色を乗せていきます。
結論から言うとバレイヤージュの際、根本に使うカラーは下記のレシピでほぼ固定。
3~5Lv白髪染め:A(アッシュ):MT(モノトーン):V(バイオレット)=1:1:1:1ー1.5%等倍
白髪染めを使うことでディバイディングラインをしっかりと潰すことが可能です。
色が褪色したとしても、白髪染めの染料の濃さのおかげでディバイディングラインは馴染んだままになります。
配合比率も全体の20%程度だから色素沈着も最小限に抑えられるよ!
ディバイディングライン辺りを暗く馴染ませたいのか、色をしっかり出したいのかで薬剤のレベルは変えていきますが、基本的には以下のように覚えておきましょう。
しっかりと馴染ませたい時→5Lv白髪染め : 6アッシュ: 4モノトーン : 4バイオレット=1:1:1:1
しっかり色を出したい→3Lv白髪染め : 6アッシュ : 6モノトーン : 6バイオレット = 1:2:2:2
またオキシは3%ではなく、1.5%を必ず使うようにします。
その理由は
- 3%→発色が早く沈みやすい
- 1.5%→発色が遅く沈みにくい
というオキシの特徴にあります。
白髪を染めるかどうかでもオキシの選定は変わってくるけど、慣れないうちは1.5%でOK!
根元へのオンカラーの塗り方
根元に使う薬剤は5Lvのかなり暗い薬です。
下記のように薬剤を塗れば、ディバイディングラインを消しつつ毛先に馴染ませられます。
しかし何も考えないで塗ってしまうと、中間や毛先にも薬剤が付いてしまうのでしっかりとした手の動かし方を体に染み込ませましょう。
では写真で詳しい手の動かし方を見ていきます。
通常のカラーの場合は、ハケを毛先まで滑らせてパネルを分けますよね。
しかしバレイヤージュオンカラーの塗り方はそれはNGです。
ハケについた5Lvの薬剤が毛先にもついてしまいます。
根元あたりに空間を作り、ハケのカラー剤がパネルに付着しないように引き抜きます。
人差し指や親指はカラー剤が付着している可能性が高いので、小指でパネルを持ち変えましょう。
ハケでパネルを分け取る代わりに、左手の小指で分けましょう。
小指を使う理由は上記と同様にカラー剤が付着していないからです。
再度左手に持ち変えたら薬剤を塗布していきましょう。
塗り終わったら次のパネルに移り、Step1~4を繰り返していきます。
この塗り方だとダッカールを使えないから、上のパネルから徐々に下がりながら塗っていこう!
毛先にカラー剤塗布
根元にカラー剤を塗った後にどうやって中間~毛先に繋げていくのか。
では詳しく見ていきましょう。
表面から根元の薬をぼかしていきます。
この際に根元の薬が毛先に付着しないように、上記で説明したスライシングでパネルを分け取りましょう。
分け取ったパネルの根元を水スプレーで濡らしていきます。
根元の暗い薬剤を水で薄める&ぼかす為にしっかりと濡らしましょう。
水を含んだ根元の薬をフィンガースルーで伸ばします。
この際にコームで馴染ませようとすると、ブリーチ毛の所が線のように染まってしまうので注意。
オキシ1.5%は沈みすぎる心配がないので、比較的境界線をオーバーラップしてもOKです。
パネルの馴染ませが終わったら上記の様にずらし、次のパネルに移っていきましょう。
全頭このやり方で境界線をぼかしたら、フィンガースルーで伸ばした箇所から毛先の薬を塗布していきます。
毛先のムラを無くすために
ディバイディングラインが馴染んだとしても、毛先に塗りムラがあることでお客様は失敗されたと感じます。
オシャレ染めでは多少のムラも馴染んでしまいますが、ブリーチだと馴染むことはありません。
汚い仕上がりを避けるために意識すべきことは以下の3つ。
- 毛束にしっかり薬を浸透させる
- 根本~中間のムラを潰す
- とにかく早く
ブリーチ毛はコーミングしづらく、フィンガースルーだけではパネルに対してしっかりとカラーを塗布することができま
せん。
トリートメント時のようにしっかりと揉み込むのがおすすめだよ!
根本の毛量は一番多いので塗り残しも必然的に多くなります。
出来る限りパネルを薄く取り、広げて薬剤をしっかりと塗布しましょう。
全頭毛先まで塗り終えたら上記のようにパネルを引き出し、しっかりと指で揉み込んで浸透させましょう。
席でのカラーチェック
毛先までカラーが終わったら10~20分ほど放置し、カラーチェックをします。
この時点で塗り残しやムラがあっても直すのは困難!オンカラーでしっかりと塗布しよう!
以下はカラーチェックする際に基準となる発色具合です。
- シルバーにしたい→紫に発色していたらOK
- ベージュにしたい→シルバーに発色していたらOK
- ピンクアッシュにしたい→20分置いてピンクならOK
上記がカラーを流す目安になりますが、この時にまだ黄色味が残っているのであれば
- 時間が足りない
- 薬剤が薄い
- 塗れていない
のどれかになります。
席でのチェック時に左のように紫が強く発色していたとしても、流し終えると右のように綺麗なアッシュになります。
この段階でどの程度発色しているかを見ることで、シャンプー台でのやるべき事が変わってきます。
シャンプー台でやるべき事
ムラと明るさは席で調整し、色味はシャンプー台で調整するのが簡単です。
バレイヤージュのオンカラーの際に、シャンプー台でやるべきことは下記の3つ。
- 乳化して中性に傾ける
- 乳化の際に根本の薬で毛先の細かいムラを修正
- 紫や青に振った色味の調整
アルカリ性の状態でカラーを流すと予想以上に色抜けが激しく、またアルカリ残留によって褪色、ダメージの原因になります。
乳化でゆっくりとアルカリ性を戻していこう!
オンカラーで気をつけて塗ったとしても、細かいムラはどうしてもできてしまいます。
これは根本の薬剤を一緒に乳化することで極力潰すことができます。
カラーを流す前には上記の理由でしっかりと乳化し、シャンプーをした後に色味の調整に入っていきます。
シャンプーをした後に毛束を見ると、席でチェックした際の紫は消えてアッシュがでてきます。
この時点で理想の仕上がりに近いのであれば、トリートメントは極力避けてすぐに上げましょう。
以下は僕が実際によくやる色味調整です。
- シャンプー後に紫が強い場合は、シャンプー台にトリートメントとお湯を溜めることで紫を除去。
- アッシュが強すぎて青になってしまった場合は、10Lvオレンジ:3%:シャンプー ー1:1:1を塗布することでシルバーに。
シャンプー台でやってはいけないこと
- 色味が足りないからといってムラシャンを使う
- 2シャン
- 熱すぎるお湯で流す
- 通常のアフタートリートメント(TOKIO,ハホニコ,aujua等)
上記の4つをやってしまうと、色抜けが早くなったりムラになってしまいます。
トリートメントをするのであれば濃いめにカラーを入れておくか、ブリーチトリートメントを使用しましょう。
バレイヤージュオンカラーのレシピ
ここからは僕が実際によく使っているバレイヤージュオンカラーのレシピを紹介します。
現在、オーストラリアの日系サロンで働いているのでカラー剤はフィオーレをメインに使っています。
安いし発色も良いし、最高のカラー剤だよ!
鉄板レシピを考えよう
カラーは何をどの割合で混ぜるか?というのはよく聞かれますが、はっきり言って答えられません。
理由としては
ベースである髪の明るさやダメージ、残留色素によって変わってくるから
シルバーを作るにしても下記のような方法があります。
- シルバーの色味を使う方法
- 色を濁らせて無彩色としてシルバーにする方法
- 紫に振って、シャンプー台で調整してシルバーにする方法
ベージュで言えば
- オンカラーでベージュを100%発色させる方法
- シルバーに振った後にシャンプー台でオレンジをぶつける方法
このように様々な方法があり、またお客様によって感じる色が変わってきます。
配合、比率にこだわるのではなく、どうアプローチしたらお客様の求めるカラーになるのかを一番に考えよう!
しかし自分の中に鉄板のレシピがあることで様々な髪質に対応でき、応用が効きます。
下記で紹介するカラーレシピは僕がいつもよく使う比率ですが、シャンプー台での色味調整と組み合わせることでおおよそのカラーを作ることができます。
前述したように、オンカラーは明度とムラを調整する役割であって、細かい色味はシャンプー台で調整していきます。
仕上がりに対する選択肢があればあるほど、オンカラーは楽になりますね。
補色の考え方
カラーを配合するにあたって、補色の考え方は理解しておきましょう。
補色とは特定の色味を打ち消す反対色であり、1%~30%までを目安に混ぜていきます。
上記の図では黄色の補色は青紫になります。
青紫で黄色を打ち消すことにより、無彩色(グレー)になります。
アッシュベースで仕上げる場合はまず黄色味を打ち消し、無彩色のベースを作ります。
ピンクに寄せるならそこに赤を足すイメージ!
このカラーは10GP:10CP:10GA:VIVIDPi-2:2:1:10%で作っています。
GPはグレイピンクという薬剤ですが、沈みすぎない柔らかいシルバーという認識でOKです。
このレシピにした経緯は
このGPとCP(コーラルピンク)をメインの薬剤に設定することでピンクアッシュのピンクを強く出せる。
10GAで全体のオレンジ味を削りつつ、VIVIDPink(ピンク/赤紫)で黄色味をカバーしつつ赤みを足す。
というのがこのレシピの狙いです。
目指す色味をまず設定し、そこに対して補色を考えるとわかりやすいよ!