エアタッチとは
エアタッチのやり方を説明する前に、まずはエアタッチとは何かを解説していくよ!
エアタッチはドライヤーを使い、ボカシを作っていく技術です。
エアタッチ最大の特徴としては以下の2つ。
- 綺麗なボケ加減
- 退色しても綺麗なデザイン
綺麗なボケ加減
バックコーミングやハイライトでバレイヤージュを作っていく方も多いかと思います。
しかしその際に問題になるのがはっきりとした境界線。
このブリーチと地毛の境界線がはっきりしていると、まとまったバレイヤージュスタイルを作ることができません。
エアタッチのやり方でバレイヤージュスタイルを作ると下記のようなブリーチデザインに持っていくことができます。
根元から毛先まで綺麗にボケたブリーチデザインはエアタッチの最大の特徴と言えるね!
退色後も綺麗なデザイン
ブリーチデザインの時点で綺麗なボケ加減を作れていると、退色後でも綺麗なデザインを維持することができます。
エアタッチで綺麗にデザインをしていくことで、退色後のオンカラーで自分の仕事量を減らせますね。
また、エアタッチで作ったブリーチデザインは将来的にも同じデザインでそのまま明るくすることができます。
これに関しては下で説明するよ!
エアタッチに向いている髪は?
エアタッチはドライヤーで髪の毛を落としながらブリーチデザインをしていきます。
その特性上、髪が長い方がエアタッチで綺麗に作りやすく、ボブはエアタッチのやり方に向いていません。
肩上の長さに関しては全頭ブリーチかバックコーミングバレイヤージュで作るのがオススメです。
エアタッチのやり方
では実際にサロンワークではどのようにエアタッチのやり方でバレイヤージュを行っているのかを解説していきます。
エアタッチのブロッキング
エアタッチを行う際に重要なのがブロッキングです。
どのようにスライスを取って、ブロッキングはどのようにしようか…と考えていると遅くなってしまいダメージ過多に繋がります。
ブロッキングは下記の分け方が一番効率良いかと思います。
また、スライスをジグザグにとってエアタッチを行うのはオススメしません。
理由としては
- スライス幅がバラバラになって根元まで攻められない
- 次回以降のエアタッチで予期しない箇所が落ちるようになる
この2つです。
最初のうちは特に考えず、スライスはまっすぐに取ってOKです。
エアタッチの前にセニングで調整
エアタッチでは落とす毛をセニングで調整することが非常に重要になります。
上記の図は落とす髪の毛とブリーチ塗布する比率を表しています。
落とす箇所を10%:ブリーチの箇所を90%に設定するとコントラストが少なく、明るい髪に。
落とす箇所を70%:ブリーチの箇所を30%に設定するとコントラストが多く、あまり明るさは感じません。
エアタッチでの作業に入る前には目指すスタイルの比率を考え、それに合わせた場所にセニングを入れましょう。
僕がよく使う比率やデザインをまとめてみたよ!参考にしてみてね!
ドライヤーでエアタッチ開始
セニングで比率に沿った毛量調整をしたらエアタッチを行っていきます。
パネルを引き出し、比率を基にドライヤーで髪の毛を落としましょう。
落とした髪をダッカールで固定します
エアタッチのやり方としてはたったこれだけです。
ただ、注意しなければいけないのが下記の3点。
- ストレートアイロンを事前に行う
- スライス幅を欲張りすぎない
- ドライヤーのノズルの向き
ストレートアイロンは必須
エアタッチのやり方でバレイヤージュを作り始める前には必ずアイロンを全頭に入れましょう。
この理由としては
短時間&弱い風量で髪が落ちやすい
という点です。
ストレートアイロンありとなしの比較画像を見てみよう!
ストレートアイロンをすることで、髪の毛が落ちやすい状態になりスムーズにブリーチ塗布を行えます。
しかしアイロンをしていない方は十分に髪の毛が落ちないので、時間がかかります。
エアタッチのやり方で進める場合は必ずアイロンを入れておきましょう。
スライス幅を欲張りすぎない
エアタッチを行う際にはスライス幅にも気を付けましょう。
僕はいつも2~3センチスライスでパネルを取っています。
このスライス幅だと根元ギリギリからブリーチ塗布ができるのでより長持ちするブリーチデザインに仕上げられます。
しかし欲張って幅を広くしすぎてしまうと下記のように根元が詰まってしまい、攻める事が出来なくなってしまいますね。
根元ギリギリから攻める&薄いパネルでムラ無く綺麗にブリーチするためにもスライス幅は薄めが良いでしょう。
根元の詰まりが無い方がより綺麗なデザインに仕上がるんだ!
ドライヤーのノズルの向きに注意
ドライヤーのノズルの向きを変えることで風量を最大限活かすことができます。
恐らく多くの美容師はノズルをこのようにしていつもドライヤーを使っているかと思います。
しかしエアタッチのやり方ではノズルを下記のように90°回転させましょう。
こうすることでパネルに対して効率的に風を当てて落とすことができますよ。
ボードを使ってブリーチ塗布
エアタッチでパネルの髪の毛を落としたらボードを使ってブリーチを塗布していきます。
ボードを使う理由としては以下の3つです。
- 効率的にブリーチを貫通させられる
- コーミングで髪に余分なダメージを与えない
- 追いブリーチの難易度を下げる
画像と共に詳しく説明していきます。
このように先にブリーチをホイルに塗布し、パネルの裏側まで薬剤が浸透するようにします。
ボードにパネルを置き、ブリーチを塗っていきましょう。
コーミングは極力避け、固めのハケで毛束をほぐすようにブリーチを浸透させていきましょう。
ボードを使うからこそできる塗り方だね!
これを全頭30分以内でファーストブリーチを塗布できるのが理想です。
ファーストブリーチが終わったら次は追いブリーチになりますが、ここではかなり長くなってしまうので気になる方は下記をチェックしてみてください。
エアタッチのメリット・デメリット
美容師がエアタッチのやり方でバレイヤージュを作るメリットとデメリットを順番に解説していきます。
美容師側のエアタッチのメリットは以下の4つ。
- ボカシに特化
- 同時進行でコントラストも作れる
- 剛毛&多毛でも平気
- 絡まりづらい
ボカシを綺麗に作れる
上でも述べたように、エアタッチ最大限のメリットはボカシが綺麗に作れるという点です。
オンカラーで作るグラデーションとは違い、ボケ加減が退色とともに無くなることはありません。
ブリーチ塗布と同時にコントラストも作れる
全頭バージン毛からのバレイヤージュは以下の点で、ぶっちゃけ超簡単です。
- コントラストになる暗い髪をオンカラーで作らなくてもいい
- ダメージを気にする必要が無い
しかし、下記のようなカラー履歴のお客様がバレイヤージュでもっと明るくしたいと来店されたらどうアプローチしますか?
- ハイライトでそれっぽく明るくしてベースカラーは暗くする
- バックコーミングでデザインを入れてオンカラーでコントラスト作成
- スライシングの引き出す角度でコントラストをいれつつブリーチ
すぐに思いつくのはこのぐらいですね。
しかしエアタッチのやり方を使うことで、この仕上がりに持っていくことができます。
オンカラーでは明るくしたブリーチデザインに色を乗っけただけです。
コントラストである暗い個所はホイルワークの際に作っているんだ!
剛毛&量が多くても平気
エアタッチのやり方でバレイヤージュを作る際には剛毛や毛量などもあまり関係なくなります。
ドライヤーの風で髪の毛を飛ばしながら作っていくので、バックコーミングに比べて比較的楽にバレイヤージュが作れます。
絡まりづらい
バックコーミングでバレイヤージュを作ると、シャンプー後に逆毛を取るのにかなり時間がかかります。
何回もコーミングをすることで髪の断毛リスクも高まるので、良い作業とは言えませんよね。
しかしエアタッチの場合は流した後でも絡まりづらいので、スムーズにオンカラーに移れます。
ではここからはエアタッチのデメリットを見ていこう!
エアタッチのやり方でバレイヤージュをすることでのデメリットは以下の3つです。
- 時間がかかる
- カットに依存する
- スタイルチェンジでデザインが崩れる
時間がかかる
エアタッチはドライヤーで1パネルずつ髪の毛を落としながら作っていくので、どうしても時間がかかります。
バレイヤージュは追いブリーチの事も考えると30分以内にファーストブリーチを塗布し終えるのが理想です。
しかしエアタッチでの慣れない作業は45分ほど経過してしまうこともあるのでダメージには注意が必要ですね。
カットに依存する
コントラストを作るために比率を考えてセニングを入れたとしても、次回にまたセニングをたくさん入れてしまうと既存のデザインは崩れてしまいます。
エアタッチを行う際にはカットのデザインもお客様としっかり話し合っておきましょう。
スタイルチェンジでデザインが崩れる
ロングでエアタッチを行ったお客様が次回にボブなどにしてしまうと、綺麗なデザインから汚いデザインになってしまいます。
ムラを直すのもかなり大変になるので、スタイルチェンジをした場合にはもう一度デザインを入れなおす必要があります。